nightsidecity’s diary

好きなお菓子、お笑い、ホラーについて語るブログ。

「小杉武久 音楽のピクニック」と「90年代の神戸の音の実験」

昨日、芦屋市立美術館で行われている小杉武久さんの展覧会に行ってきた。小杉武久は作曲家/演奏家として活動してきたミュージシャンで、即興演奏集団「タージマハル楽団」やニューヨークの芸術集団「フルクサス」とも関わりつつ、音を追求してきた人だ。

①会場ではタージマハル楽団から舞踏集団「マース・カニングハム」との現在に至るまでの軌跡をたどった資料が数多く展示してある。そこには当時の異端ぶりであったり、ジョン・ケージなどのアメリカ現代音楽、ソニックユースボアダムスのEYEに至るまでのコラボ企画も展示されていた。

また音のインスターレーションも展示してあり、これが興味深かった。天井からレコーダーが吊るされ、そこで録音されている音を扇風機にさらす事で波のような音を鳴らす仕組みや、砂糖の中にスピーカーとLDを入れ虫のような音を出す仕組みなど様々な音やその空間を彩る工夫がされていた。

②この日は同時にTOAという音響機器メーカーが本社ビルをポートアイランドに建設していたXEBEC HALLの試みに関するトークイベントが行われていてそちらが目当てだった。このHALLは知らなかったのだが様々な音の情報の発信基地として設立されたらしく、会場はその関係者らしき人が多くいた。だが自分がお目当てだったのは伝説のアヴァンポップグループHACOさんの話が聞けるかもしれないという事だった。目の前に現れた小柄なその女性を見て心躍った。

13時からのトークは「アメリカ実験音楽の精神」という題名で藤枝さんという作曲家兼企画者の話だったが主にXEBECホールや司会の下田さんというXEBECの話などで本題にふれず少々、残念だった。

14:45分からのHACOさんの話は先ほどの話からXEBEホールの話になると思い、パス。

16:45分からの「アジアの音楽シリーズ」からは中川さんというインドで音楽を学んだ方との話でこれが面白かった。以下、面白かったった部分を抜粋。

・留学先のインドで、イタリア人とクラシックの話をした時に自国の音楽の事について知らない事を知った。気分は西洋人だった。

・神戸・三宮BARでホーチミンのお坊さんと会った時からインド音楽と邦楽のコラボなどを始めた。バラモンのための音楽、仏典のための音楽、同じだった。音程もある音程しか使わない。

・ライブは時間制限がなく、いきなり始まっていきなり終わる。

・映像を見たのだがインドのヴァイオリンの奏者がすさまじかった。ものすごくグルービーで雄大インド音楽はインド以外の音楽も貪欲に吸収する。

・韓国の音楽は日本と違うけど、断然かっこいい。日本の音楽のイモっぽさを痛感した。

you tubeは音楽家にとって危機だけど、垣根を壊してくれた。

年末に見た映画~女性の下ネタとバルクールとイギリス気質~

年末に面白かった映画が何本かあった。

アンリミテッド・・バルクールという肉体を使った犯罪映画でこれがめちゃくちゃ面白かった。物語は中国マフィアから借金をかかえながら暮らすパッセンジャーの男がバルクールの集団に出会い、バルクールにのめりこむ話。ビルからビルへ逃げるアクションがすごいし、マンションの地形を生かしたアクションも見どころ。

リーガル・マインド 裏切りの法廷・・・女性監督が作成した弁護士映画。自分の子供の親権という個人の事を語りつつ、弁護が難しいシングルマザーの弁護を引き受ける話。

この映画で衝撃的だったのはある会話。元ボスの弁護士に協力を頼むシーン。「この事件が終わったら報酬をあげる」「それならいい」「じゃあこの事件終わったらblow jobしてあげる」「のった」

女性でこれだけの下ネタ書ける国はすげーと思いました。

クライム・ヒート・・・マフィアの配下のバーで働くバーテンとマフィアの お金、強奪を狙う人たちのお話。これがイギリスっぽいな、と思ったのは、犯罪が主眼ではなく街のはずれのマフィアの孤独を映画にしているからです。シブい犯罪物でした。

クリス・プリーストリーの子供向け怪談は大人にもおススメ☆彡

図書館でたまたまなクリス・プリーストリーの本を借りて読んだ。これがすこぶる面白かった。著者はイギリスの作家で昔からポーやラブクラフトなど様々な奇妙な話に魅せられたらしい。以下おススメ。

①モンタギューおじさんの怖い話

・元ドア・・・いんちき女霊媒師の2人組は交霊会に出掛けた家で不思議な少女と出会い奇妙な元ドアを教えられる。

・精霊・・・トルコの町を旅する絵描きの父と子に邪悪な精霊が忍び寄る。これは怖い。

②トンネルに消えた女の怖い話

・小さな人たち・・・父の再婚相手の子供が妖精が見えるという・・・

・温室・・・植物のホラー、オチがグロくてよい

・猫背岩・・・引っ越してきた先の奇妙な岩。風景描写がいい。

③船乗りサッカレーの怖い話

・ピロスカ・・・船で出会った少女に恋をする話。もちろんホラーです。

・刺青・・・日本を訪れた訪ねた刺青屋。異国情緒むんむん。

・カタツムリ・・・タイトルで分かる(笑)

じんわりした恐怖を好む方におすすめです。

女性版ノワール?とジェーン・クロフォードの眼力【突然の恐怖】

最近、見た「突然の恐怖」という映画が面白かった!!!!

あらすじ・・・・・・男優レスターを、売れっ子戯曲作家マイラは、彼女の新作戯曲から役を降ろした。彼女は同じ列車に偶然乗り合わせたことで彼とすっかり意気投合し、ついにはふたりは結婚することになる。しかしそこにレスターの昔の恋人アイリーンが現れ、レスターは彼女にそそのかされて妻のマイラを殺そうと考えるようになる。

・女性が劇作家であり、途中から反逆として、愛人と夫の殺害計画を自分で創作するのが面白い

ノワール特有の影を使った映像が見事で、クローゼットに隠れ、夫と愛人の行動を監視するクロフォードの眼力がすごい (なんか目がデカすぎて、宇宙人みたいに光ってたし(笑))

・録音機・おもちゃ・ファッション服など、様々な小道具によってサスペンスを盛り上げる手法が見事。

・オチがすごい(笑)

女性が主人公のスリラー・ノワールを見たい人におススメ。

【マルタの鷹】~ハードボイルってかっこいい~

超名作にも関わらず、見ていなかった映画マルタの鷹を見る。

誘拐された妹を取り戻してほしいと一人の女から依頼を受けたサム・スペードは、女の 希望どおりに相棒のマイルズに一人の男の跡をつけさせる。だが、マイルズは射殺され 、肝心の男も死体となって発見される。嫌疑をかけられたスペードは依頼主の女を追う …やがて明らかになる「マルタの鷹」と呼ばれる謎の彫像をめぐる血で血を洗う争奪戦

「冷静沈着で、大胆不敵な主人公」

ハードボイルドっていうのがこの映画を見てなんとなく分かりました。相手の脅しにも乗らない、顔色を変えない。暴力の行使と目的のためなら手段を選ばない、非道になれる、それがハードボイルドかと。

また、相手の心理につけこむのもハードボイルドっぽいと思いました。絶体絶命の時に敵の精神的に不安定な若者を挑発するシーンなど、自分と敵の心理のぶつかり合いみたいなのがハードボイルドっぽいと思いました。

話自体もマルタの鷹をめぐる話が二転三転する話でその心理的な駆け引きが楽しいです。

ミドリ、のこと。


Midori (ミドリ) - Himitsu no Futari (ひみつの2人) Live

最近、ミドリというバンドの事をよく考える。ミドリとは大阪のアンダーグラウンドのバンドで、後藤まりこという強烈なカリスマ性の下、ジャズにパンク・メタル・ハードコアを混ぜった独特の音楽をしていたバンドだった。

ツイッターでもYouTubeでもやたら外国人のコメントが多く、海外のサイトでもそのサウンドがユニークと称されていた。その音楽性は時に激しく、エモーショナルで、そしてピュアだった。和風のピアノフレーズが混じるがそれがオリエンタルな意味ではない不気味な風に聞こえるのも素敵だった。

音楽に限らず、笑いもそうだが優れた表現は様々な色んな影響・真意を隠すことでポエジーが生まれると思う。それは普通、なるべく表現をそぎ落とす事で隠すのだが、このミドリはひたすら叫ぶことによって隠した。そのグロテスクさから見える一瞬のピュアさが僕は好きだった。

海外にも受けるオリジナリティーをもった稀有なバンドだったが解散してしまったのはもったいなかった。

 

ホラー日和~『わたしはゾンビと歩いた』、『秘書奇譚』~

・私はゾンビと歩いたを見た。仕事を求めてある島にやってきた看護師がそこでクライアントの奇怪な家族に巻き込まれる話。家族には一人、理性を失ったゾンビと化した夫人がいる。そこにブードゥー教などゾンビものが絡んでくる。監督はジャック・ターナー。ホラーや『過去を逃れて』などのノワールの名監督だ。

とにかく映像が美しい。砂浜を看護婦が歩くファーストショットから、ブードゥー教の総本山に夫人を抱えていく草原のシーン、ターナーの映画はそういう美しいシーンが似合う。フランスの感性だろうか。

話はホラーと思いきや、思わぬ三角関係の話になる。ラストシーンの美しさは必見。

・秘書奇譚はホラー小説の大家、ブラックウッドの小説で現在、 光文社から出ている。これが素晴らしい。謎の空き家に忍び込んだことで起こる心霊現象『空き家』、人狼もの『秘書奇譚』、昔の友人が訪ねてくる古典的なホラー『約束』。文体が読みやすいので好きな方はぜひ。